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リペアマンとプレイヤー


前にいつも楽器のメンテナンスでお世話になっている方と話しているときにこんなことを思いました。

 

「楽器の材やパーツ、エフェクターやシールド、アンプにはこだわる人は多いのに、楽器の状態に強いこだわりを持っている人が少ないのはなぜだろう?」

 

かく言う僕も楽器のメンテに関しては初心者同然なので、その方にメンテナンスのあれこれについてお話を伺ったのでした。

しかし今回ここで共有する話はメンテの方法ではありません。

なぜならば、まだその方法を確実に習得していないからです。

メンテの方法についてはもう少し自分の中で実感と確信を持って記事を書きたいと思っています。

 

1. 録り音はどこで決まるのか?

レコーディングであってもライブであっても、ベースはラインとアンプに立てたマイクで音を録ることが多いです。

また、そのパートの特性上派手なエフェクトはかけずにそのままアンプに繋ぐ場合が多く、ライブでは楽器そのままの音を

PAに送ることも多いでしょう。

EQで工夫をしたり、足元に様々なエフェクターを並べれば音の質感を変えることはできますが根本的なキャラクターまでは変わらない。

正確にはできても他のもっと重要な要素を潰してしまう。

できるなら何もしない状態でそのまま狙った音がでることが望ましいわけですから、アンプやシールドよりももっと手前の楽器のセットアップの段階からすでに音作りは始まっているなと考えています。

 

2. プレイヤーが楽器のコンディションに無頓着な理由

正確にはタイトルに"僕が無頓着だった理由"と書くべきかもしれません。

僕は楽器のコンディションとプレイについてこんなことを思っていました。

 

「どんな状態の楽器でも、いい腕のプレイヤーであればいい音が鳴らせる」

 

これは間違った考えではありませんし、実際に同じ楽器を触ったとしても腕のいいプレイヤーならいい音を出すでしょう。

問題なのは「どんな状態の楽器でもいい音を出せる」ということは良いプレイヤーであるために必要なことであって、それを満たすための十分な条件ではないということ。

プレイヤーとしての評価は最高点で決まるのではなく、最低点で決まります。

どんな状況でも同じ音を出せるのがプロだからです。

こういう背景がネガティブな方向に作用して

「メンテナンスに頼らず良い音を出す腕を身につけなければいけない」

という風にねじ曲がっていきました、僕の場合は。

 

3. リペアマンとプレイヤー

僕は楽器をメンテナンスに出すときは基本的に対面でやっていただくようにしています。

そうすることによって言葉の解釈による差をすりあわせていくことができるからです。

それでも狙ったセットアップに持っていくのが難しいのは、リペアマンとプレイヤーの認識に大きな差があるからです。

特に自分の中で出音のイメージが固まっていない場合はリペアマンに全て一任することになるだけでなく、最悪の場合全くイメージと異なるセットアップになってしまう可能性もあります。

この差を埋めるためにはリペアマンが何を考えて何をしているのかを理解する必要があります。

自分の腕で全てを解決しようとするのではなく、出音に対してその原因をシビアに判断していくことが大事だなと思っています。

4. レッスン・お仕事の依頼

東京 池袋にてベースのレッスンを行っています。

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